昔、私が応援していたアイドルの女の子が、青年誌の表紙を飾っていた。
おお、と思い、コーナーに置かれていた雑誌に手を伸ばす。ぱらぱらりと中を覗くと、あの時と変わらぬ笑顔の彼女がいた。
よかった。
彼女は女優になる夢を志し、グループを離れた。
ちょっと早すぎるんじゃないの?と思うくらいの報告に、私は動揺した。
グループもまだまだ成長途中だったし、徐々に人気も出てきていた。何より彼女は人気者で、たくさんの人に愛されていた。だから、このタイミングで卒業する意味がわからなかったのだ。
それでも彼女は決断した。
"アイドル"と"芝居"を両立させることも出来たかもしれないのに「メンバーや応援してくれるファンにも失礼だ」と言って、次の道を歩んで行くことを選んだ。
安定した環境を手放して、次に進む事の方が遥かに難しい。
卒業コンサートが開催されるまでの期間は悲しくて仕方がなかった。正直卒業して欲しくなかった。彼女の成長をもっと見ていたかった。
それでも、最後の最後まで笑顔を貫き通していた彼女を見て「あぁなんか、これで良かったのかもな。」なんて思ってしまった。
不思議なものだ。
私の好きだったアイドルの女の子は、"卒業"というものに暗いイメージを抱いていた私の考えを変えてくれたのだった。
雑誌コーナーでひととおり彼女を堪能したあと、なんとなく久々に彼女の卒業ソングを聴いてみたくなった。
やっぱりこの空は続いてる
結局この夢と繋がってるんだよ
全部手に入れたく思うのは
決して欲張りじゃないと言い切れるよ若いんだし
興味あるし
やってみなきゃわかんないことも
あるだろし
WOW WOW WOW
何度もチャレンジすりゃいいじゃん!
あのとき笑顔を振りまいていた彼女は、
今は女優として、戦隊ヒーローとして、
日曜の朝9時30分から子供達に夢と笑顔を振りまいている。
夢を追い続ける人ってカッケェなぁって思った、夏の午後だったー。
2018.08.06
ぶれぶれのジョニー
(((((( c(・ω・()・ω・)っ)))))