※本記事は以下の企画の趣旨や問題点について明記したものです。まだお読みでない方は、以下に掲載する記事からお読みいただくことを推奨します。
Aqoursの次回ライブ放送日に、「#Aqoursと一緒に歌いたい」というハッシュタグをつけて、Aqoursと一緒に歌を歌った動画を投稿するという企画です。
なんなら、動画でなくても構いません。
動画を投稿しなくても構いません。
だたAqoursと一緒に歌を歌うだけでも構いません。
ただ、今後また、今日のような機会があるのなら。
次は、声を届けてみませんか?
ーAqoursと一緒に、歌を歌いませんか?/ぶれぶれ青春白書 - 2020.05.10 より一部抜粋
先日私は以下のような旨の記事を投稿し、そこで「#Aqoursと一緒に歌いたい」という企画を提案しました。ありがたいことに一部の方々から参加の意思を表明していただき、現在はその具体案について着々と構想を練っているところです(遅い)。
結論から申し上げます。
声を届けるのは控えたほうが良いかもしれません。
本記事では、この「#Aqoursと一緒に歌いたい」という企画の趣旨と問題点について明記することで、なぜ私がこの結論に至ったのかを説明させていただきたいと思います。
本企画の趣旨
本企画の目的は「Aqoursと一緒に歌を歌い、その声を届けること」です。
その裏には、「昨今の事情により長い間会うことができなくなったAqoursに”ありがとう”を届ける場」としての役割と、「そんなAqoursをステージに導くべく奔走している制作スタッフへの”ありがとう”を届ける場」としての役割を与えています。
具体的なアクションは「Aqoursと一緒に歌を歌う」「その声を届ける」のふたつ。「Aqoursと一緒に歌を歌う」曲はどんなものでも構いませんし、「その声を届ける」にはTwitterやらのSNSを活用すればよい。
ね、とっても簡単でしょう?あなたも参加してみませんか??
本企画の問題点
しかしここで問題が生じます。
それは法律。
「Aqoursと一緒に歌を歌う」こと自体は何ら問題ありません。
しかし「その声を届ける」ことが、数ある法律に抵触してしまう可能性が高いのです。
ケース紹介
たとえば、あなたが「自宅でAqoursと一緒に歌を歌う」場合、どんな状況を思い浮かべますか?
そうです、CD音源を流してそれに合わせて歌ったり、自分で弾き語りして歌ったりしますね。これだけなら問題ありません。
しかし今回は、それをAqoursないし制作スタッフまで届ける必要があります。
そ~うです!(抵触)
実はそこに問題が隠れています。その問題について、ここからはケースごとに考えられる状況とどのような法律に抵触してしまうかをここから紹介してゆきます。
Case:1_ライブDVDに合わせて歌を歌う
A. OKです。な~んにも問題ありません。どんどんやりましょう。この企画の目的ひとつ達成です。
Case:2_ライブDVDに合わせて歌を歌ったものをSNSに投稿する
A. NGです。著作隣接権のうち「レコード製作者の権利」の侵害に当たります*1生配信されているライブDVDの音声・映像が差し込まれてしまった場合も同様にアウトです。どうしても音源を使いたければ別途権利者のレコード会社の許可を得る必要があります。
Case:3_自身が既存曲を演奏したり、制作した音楽と一緒に歌を歌ったものをSNSに投稿する。
A. 一部OKらしいです。「歌ってみた・踊ってみた」の類がこれに当たります。
著作権は個人が非営利の目的で、楽譜どおりに自らが演奏、制作した音源の投稿は問題ない、場合や、JASRACとの間で包括契約をしている動画配信サイト(YouTubeやニコニコ動画といったサービスを運営されている会社 など)では個別に申請をする必要がない*2場合があります。
しかし、許可を得ない音楽や動画の投稿は基本的にNGです。*3
よく知らないままに配信をしてしまうことで、知らず知らずのうちに「公衆送信権」や「送信可能化権」を侵害してしまう場合があります。
Case:4_アカペラで歌う。
A.怪しいです。少なくとも歌詞やメロディーが著作権に抵触してしまう可能性があります。
Case:5_カラオケ音源をもとに歌う。
A.怪しいです。音源を流しているという部分から、著作権に触れてしまう可能性があります。
Case:6_じゃあなんもできないやんけ!!!(怒)
A.それな…😭😭😭
まとめ
いくつかのケースを簡単に紹介してきました。私がリサーチした中でも、少しだけ厳しめのジャッジを下しています。それは各人によって解釈の仕方が異なったり、「犯罪」と「犯罪じゃないもの」の明確な線引きができないからです。著作権については「非営利目的での使用は可能」であったり「引用なら可能」であったりと抜け道はいくつか存在することも、このジャッジを下した理由の一つです。
ここで何が言いたいかと言えば、わからないならやっちゃいけない。ということです。
正直、声、めちゃめちゃ届けたいです。
Aqoursに向けて、制作スタッフの皆さんに向けて、SNS上での大合唱が生まれると思うとわくわくが止まりません。推しの写真が飛び交い、歌の歌詞が飛び交い、誰もが気軽に好きな人たちの状況を知ることができる昨今のSNSをみると、それが可能なんじゃないかなと思えてきます。
しかしそれらは、著作権の侵害があったとしても「著作物を愛好するファンによるもの」という面から事実上放任されているというだけの”誤解”です。
”好きだから”という理由で、何をしてもいいという理由にはなりません。
”みんなで叶える物語”というテーマを隠れ蓑にして、何をしてもいいわけではありません。参加を表明してくださった方々にも、これから参加をしようとしていた方も、上述した内容をもとに、これから自分たちがしようとしている行為を今一度、よく考えてみてください。
私自身も、何も考えずただ熱に浮かされてこの企画を提案してしまったことを重く受け止めています。危うく犯罪を助長してしまうところでした。深く反省しています。本当にごめんなさい。
暗闇の中で燦然と輝く瞬き
企画が頓挫してしまった…そう嘆くのはまだ早い…!
そう「Aqoursと一緒に歌を歌う」ということは可能なのです。
誰しもが簡単にできますし、SNS上で発信するより恥ずかしくないですよね。
むしろこちらの想いの方を大切にしたいですよね。声は改めて現場で届けましょう。
…どうです?「Aqoursと一緒に歌いたい」という願いがSNS上に散らばって、それをみた人たちの「(こんなにAqoursと一緒に歌いたい人たちがいるんだ…!)」という想いを乗せて、彼女たちまで届けられたら…
そう考えると、ワクワクしてきませんか???
#Aqoursと一緒に歌いたい
色々とマイナスな点ばかりを見つめてきましたが、この企画は生きています!
目的は少し変わりましたが、改めてよろしくお願いします!!!
ぶれぶれのジョニー
(((((( c(・ω・()・ω・)っ)))))
2020.06.01
*1:https://digireco.com/jasrac-interview2018/ これって著作権的に大丈夫? 17の疑問をJASRACにぶつけてみた!(2020/05/31 21:00閲覧)
。
*2:https://www.jasrac.or.jp/info/network/ugc.html JASCAC利用許諾契約を締結しているUGCサービスの一覧(2020/05/31 22:00閲覧
*3:https://ure.pia.co.jp/articles/-/24245?page=3 【著作権】どこからNG?「歌ってみた&踊ってみた動画」の違法ラインを弁護士が解説(2020/05/31 21:20閲覧