先日、ずっと欲しい欲しいと思っていたCDを購入した。
嵐の最新ベストアルバム『5×20 All the BEST!! 1999-2019』だ。
購入を決めた理由は簡単。日本を代表する男性アイドルである彼らの歌を聴いてみたいと思ったからだ。僕は嵐のファンってわけでもないし、実は曲も真面目に聴いたことがない。テレビで流れている彼らの曲を聞き流すくらいでしかなかった。
でも、だからこそ聴いてみたいと思った。毎日のようにTVの向こうにいる5人は、どんな楽曲をどんな気持ちで歌っているのだろう。どんな想いでいるのだろう。そんな彼らの想いを少しでも感じられるんじゃないかと思って購入を決意した。
最初で最後となるであろう。
僕は嵐アルバムを初めて購入し、
そして号泣した。
今日は、その理由を少しだけ考えてみたいと思う。
まるで四季のような
アルバムは4枚からなる計64曲で構成され、これでもか!と言うくらいに嵐の花道を彩っていた。馴染みの深い言葉で言うなら、まさに『軌跡』だ。
僕は2週間かけてやっとこさ全ての楽曲をひととおり聴いたんだけれども、その中で正直驚いたことがあった。それは、アルバムに収録されていた楽曲の殆どが、どれも1度は聴いたことがあったということだ。
1枚目は懐メロ。
デビューシングルの『A・RA・SHI』から『言葉より大切なもの』『Hero』などの曲は、僕の中の「嵐スイッチ」を押した。どっかで聴いたことがあるなぁと思っていた『ナイスな心意気』は、身体が曲を覚えていたくらいだ。調べてみたら、幼い頃によく観ていた「こち亀」のEDに起用されていた。この事実を知ったときはめちゃめちゃテンションが上がった。
2枚目は青春。
ドラマ「花より団子」に起用されていた『WISH』『Love so sweet』『One Love』から、映画ヤッターマンの主題歌である『Believe』まで、中学生のときにしこたま聴いたものばかりだった。『Happiness』は中学の体育祭で踊った。すげえ楽しかった。北京オリンピックのテーマソングにも起用されていた『風の向こうへ』は、夏休みに毎朝観ていた朝の情報番組「スッキリ」で毎日聴いていて好きになった。チャリを漕ぎながら櫻井くんのラップ真似していた中2の夏だった。
3枚目はドラマ。
ドラマをあまり観ない僕でさえ知っているドラマ主題歌が多いように感じた。
M1.『マイガール』
M2.『Teoublemaker』
M5.『Love Rainbow』
など、挙げればキリが無い。観てないドラマなのに知ってる楽曲も多かった。
相葉くん出演の"ラストホープ"は面白くてよく観てた。主題歌の『Calling』はドラマの世界観にピッタリだと思っていたし、今聴いても「(やっぱり好きだ…)」とか思ってしまう。まるで元カノを忘れられない女々しい男のようだ。
ドラマ『怪物くん』の主題歌であった『Monster』は、高校のテスト週間のとき、眠気覚ましに「Monster」飲みながらよく聴いてた。テンションバリ上がったけど、テストは散々だった。
そして泣く。
4枚目。
『GUTS!』二宮くん主演のドラマよく観てた。好きだった。
『Sakura』『愛を叫べ』『Power of the Paradise』フルをちゃんと聴いた。TVでたくさん流れていたとこは一部だったことを知った。いい曲だなぁと思った。
そろそろアルバムも終わりかな。と思った頃に、アルバムの最後からひとつ前の曲である『君のうた』が流れた。
歩き出す 明日は僕らで描こう
- 『君のうた』/ 嵐
歌詞が単純に僕好みだった。いい曲だ。
『5×20』
初めて嵐の曲を聴いたであろう子供の頃から20年ほどが経ち、僕は社会人になっていた。仕事終わりに日課であるランニング10キロをこなしながら、海岸線をランニングしていたところだ。
僕は嵐の20年を深くは知らない。TV向こうで輝く彼らの落とす苦悩や葛藤を知らない。
だからこそ、彼ら自身の「想い」を知りたかった。
今まで愛おしさや美しさ、切なさ、努力を歌っていた彼らの楽曲は、どれもその『世界の人』ためにあった。恋をする人には『恋』の歌を。愛を感じる人には『愛』の歌を。『希望』を描く人には『希望』の歌を。そんな風に、嵐はいつも誰かのために歌を歌ってきた。少なくとも、このアルバムを聴いた僕はそう感じた。
しかしこの楽曲だけは違った。
ひとりひとりの想いを真っ直ぐに歌った詩と優しい歌声は、仲間とファンに向けた精一杯のありがとうを叫んでいるようだった。嵐の5人はこれから前へ進んで行くために、今までの20周年を振り返り祝いあう。この20年が僕たちを作っている。全てのことに意味があった。自分たちの20年を肯定することで、これからは別れるそれぞれの道へと進もうとしていのだろう。
そして、語りかけるようなその歌声は、5人だけでなく幾万も居るファンへ向けたものだとわかった。
20年という時の輝きと、その周りに咲き誇る花の美しさに、僕の景色はあっさりと滲んでしまった。
諸行無常
どんなものにも変化は訪れ、始まりは終わりへと続く。それはアイドルという『偶像』だけでなく、全ての事柄に当てはまることだ。だから悲しむ必要もない。嘆く必要もない。まるで全てが意味のないことだという教えのようにも聞こえるが本当にそうなのだろうか。
結果だけ見ればそうなのだろう。なにかが始まりなにかが終わる。結果として残るのは『なにかが始まって何かが終わった』という『事実』だけ。
だが人には想いがある。繋がりがある。心がある。だから、そこに残るのは『事実』ではなく『真実』なのではないかと思える。そしてその『真実』を、真実足らしめるのは、『これから』の自分自身なのではないかと思う。
これは僕が好きなアイドルが教えてくれたことだが、嵐の5人も同じようなことを教えてくれたように思う。
今までに歌われてきた曲がすべてこの楽曲の為にあったんじゃないだろうか。もはやそのレベルで好きだ。僕が見たいと思っていた彼らだけの『想い』は最後の最後までわからなかったし、このアルバムを買わなかったら一生知ることができなかっただろう。嵐の楽曲は、タイトルを知らなくてもメロディーは知っている曲ばかりだ。キャッチーで洗練された楽曲が多いこともそうだが、それよりも、嵐の楽曲はいつも僕らの生活の中にあったんだ。その尊さを感じたからこそ、僕は泣いてしまったのだと思う。
急に居なくなって欲しくないなぁという寂しさがこみ上げてきた。さみしいなぁ。
とりあえず、これを読んでくれた人には『5×20』を聴いてほしい。
いつまでもトップアイドルでいる彼らの想いを知ってほしい。
2019.07.26
ぶれぶれのジョニー
(((((( c(・ω・()・ω・)っ)))))