Aqoours初の3人組ユニット†Guilty Kiss†として活動を行う彼女たちには、今、大きな転機が訪れている。
桜内梨子役の逢田梨香子氏は2019年6月に歌手としてソロデビューを果たし、小原鞠莉役の鈴木愛奈氏も2020年1月にデビューを果たした。同年2月末日にも、津島善子役の小林愛香氏のソロデビューが控えている。
Aqoursとしての活動と、歌手として活動。そんな”二足のわらじ"を履く彼女たちに訪れている"変化"とは、一体どのようなものだろうか。
変わり始めているのは、”心境”か、”環境”か
最近 変わりはじめてるって
やっと気づいてきたよね君も
Aqoursとして活動する傍ら、彼女たちはこれまでも様々な場面で活動の場を広げてきた。
例えば逢田梨香子氏。彼女は声優業に留まらず、舞台やイベント、女優、グラビアなど、広く活躍を続けている。
『水着だから、この仕事はNG』と考えるのはよくないなと。もったいないと考えて、だんだんと価値観が変わってきました。一つの作品としてお届けできるのであれば、『私、声優だから』といった固定概念を取っ払おうと思って。できることは全部やりたい。声優だから『写真集を出しちゃだめ』『水着を着ちゃだめ』というのは一切ないと思うんです。
- ORICON NEWS / 2018-11-08 より一部抜粋
ある一定の価値観に留まらず挑戦するその姿は、彼女が演じた”桜内梨子”という少女にとても似通っていると言えよう。
様々な”セカイ”に触れる中で、彼女の中にも大きな”心境の変化”が訪れている。
セカイはいくつもあるんだ
見えないセカイがあるんだ
自分の知りえない状況・活動の場を、この楽曲では”セカイ”と形容した。
自分の知らないところで蠢くセカイは数え切れないほど存在する。例えばNew Romantic Sailorsを歌うギルキスの3人のことは良く知っていても、この楽曲がどのようにして作詞され、作曲され、編曲がされたかを私は知らない。それぞれに作詞のセカイがあり、作曲のセカイがあり、編曲のセカイがある。
そして、それらは「見えない」だけで、私たちのすぐそばに広がっている。
乗り込むよ 謎めいた宇宙船
Sailors, Let’s go!
Sailors, Let’s go!
煌めきの彼方へ
しかし「見えないもの」は、往々にして恐怖の対象でしかない。
それはさながら、目の前に広がる宇宙を眺めているような感覚なのだろう。
それでも、彼女たちはためらいなく宇宙船に乗り込む。
手に入れた輝きの向こう側に行くために。
君と冒険がしたい
今、ラブライブ!を取り巻く環境は大きく変化していると私は思っています。
その変化のひとつが『Aqoursの活動を続けながら、新たに「歌手」として活動を始める』というもの。
この考えも結局は”アニメでの活動を終えれば、次はキャストの活動が休止する”という固定概念に縛られた考えでしかないのですが、それでも”ラブライブ!というコンテンツが描いてきた地図の中には無い”というのも事実です。
そんな背景もあってか、”未知”というのは、キャストの皆さんにとっても多少なりとも怖いものである”と私は思っていました。
先日までは。
「Guilty Kiss First LOVELIVE! ~ New Romantic Sailors ~」
ライブを鑑賞する中で抱いたのは『彼女たちは既にキャラクターと一心同体なんだ』という感情でした。
逢田さんからリトルデーモンイジリをされる小林愛香さんは、条件反射レベルで「ヨハネよッ」というツッコミを入れていましたね。その姿はまさにヨハネでたし、ひょんなことで泣き出してしまう鈴木愛奈さんは、鞠莉ちゃんのような慈愛に満ち溢れていました。
そうして最後に逢田さんの口から語られたのは「これからももっともっとGuilty Kissでの活動を広げてゆくよ」「2ndライブもしようね」「Guilty Kissでアルバムも出したい」という、とても前向きな言葉たち。
杞憂でした。
彼女たちは恐れるどころか、次のはばたきを既に楽しみにしている。
どんな冒険がしたい?
だんだん速く 時を超えそうなHyper drive
始まるんだなって高まって
手を握っちゃおうかな
戻らないよって囁いて
肩抱いちゃおうかな
すべての歌詞が、3人の新たな門出を祝おうとする善子、梨子、鞠莉の言葉に聞こえてきて、そんな優しさに胸がいっぱいになってしまった。
時折、インターネットの海を彷徨っていると「Aqoursはキャラクターを必要としなくなった」「ラブライブ!は変わってしまった」という批判的な意見を見かけることがあります。
それでも、彼女たちはいなくなるわけじゃありません。キャラクターを必要としなくなるわけではありません。
今ではめっきり会う機会の減ったみんなですが、彼女たちの中には既にみんなが”居"ます。誰よりもキャラクターに寄り添い、誰よりも深い愛をもって彼女たちを表現しようとしているキャストの皆さんがいます。
アッパーなダンスミュージックの裏に隠れた「わたしたちはあなたたちの一部だから、もうひとりでも大丈夫だよ」という強く優しいメッセージ。
そんなメッセージを受け取った彼女たちが描く、次の輝き。
それを目の当たりにできるなんで、これほど嬉しいことはないじゃないですか。
冒険がしたい前例ないから
燃え上がるよ好奇心
「前例が無いなら、作っちゃえばいいのデェース!!!☆」
そんな声が聞こえてきそうなあの日のパフォーマンスからは、彼女たちならAqoursのことも、他のことも、きっと大丈夫なんだと、そんな思いが伝わってきたのでした。
ぶれぶれのジョニー
(((((( c(・ω・()・ω・)っ)))))
2020.02.09